日医工の業務停止騒動は医療関係者のみならず、大々的に報道されたゆえ一般の方もよくご存知かと思います。
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あれからも病院では日医工のジェネリックを採用し続けていますし、(業務停止報道以降も)先発からの切替を日医工のジェネリックにすることもあれば、別のジェネリックメーカーからの切替(製造中止とか色々)で日医工を採用しています。「あれだけニュースになったのにまだ使うのかよ!!」と思われるでしょう。
実際、気が短いことで有名な某科ドクターが
「なんで日医工のジェネリックを(あれからも)敢えて採用するんだ!オレは患者に説明しねぇぞ!くすりやが説明しろよ、あぁん?」
という電話が調剤室にかかってきました。せめて薬局長のPHSにかけてきたらハナマルあげてもよかった気がしますがw、そんなこと末端ぺーぺーのくすりや相手に電話かけてこられても
知らねぇよ!
というかまず、以前記事にしたかもしれませんが病院の薬の採用は薬剤師が決めてるわけではありません。病院長や事務方のお偉いさん達、そして各診療科科長の医者や薬局長、薬務(薬の購入担当)の主任など複数のトップが会議で審議して決めています。薬剤部に電話してくる前にまずは会議に出席したお前のとこの診療科長の医者に聞いてみなw、というか院長のPHSにでも電話かけろよくすりやは知らねえよwと言うわけですな( =^ω^)
それはおいといて。フツーに考えて「なぜこの期のに及んで日医工をわざわざ採用するのか?」ですが、
「供給量に見合う会社が日医工しかないから」です。
(以前にも書きましたが)ジェネリック医薬品は儲けが薄いので小さな町工場のような会社が作っていることが多いです。病院は調剤薬局とは異なり1つの薬は1つの製品しか基本的に採用しません。病院は処方数がかなり多いのでそれを確実に賄えるところ‥となると、やはりジェネリック医薬品最大手の日医工になってしまうんですよね。
「病院は儲けることばかり考えてジェネリックばかり使いやがって!ムキィ!」
という患者さんもおられます。ただ、今の日本の医療制度ではどんどんジェネリックにしていかないと病院が儲からないしくみになっています。「人命より儲けか!」と医療機関が儲けることに拒否反応を示される風潮もありますね。残念ながら「儲け」ないと医療機関が経営破綻してしまい、受診できる病院がなくなります。また、諸外国のように「医療は完全無償」というカタチをとっているところは逆に言うと「全て国が医療を支配している」ということです。以前、スイスから嫁がれたオバチャンから聞いた話だと「まず、ホームドクターにかかり、そこから紹介してもらわないと大きな病院にはかかれない。大きな病院にかかるにはかなーり時間がかかる。自由に大きい病院にはかかれないよ」と言ってました。難しいところですよね。医療に市場概念が多少とも入っているから比較的自由が享受できるというね。(‥医療制度云々は専門ではないのでこれくらいにしておきます)
だからこそ、ジェネリック医薬品製造企業は信頼を損なわないようにしていただきたいです!
今日も読んでいただきありがとうございます。またのご訪問お待ちしています!