"くすりや"まめ太の処方箋

地方の病院で"くすりや"やってます

【追悼】最も患者の多い診療科【特集】

大阪の診療所放火事件や歌手の神田沙也加さんのご逝去(自殺?)が相次ぎました。ここで緊急企画の追悼特集を(勝手に)行いたいと思います。

 

まめ太の勤務先、地方の総合病院の沼の底病院で最も患者数の多い診療科は何でしょう?

 

 

 

 

実は精神科です。ちなみに週当たりの外来処方箋発行数も最も多い科です。言っておきますが、別に精神科に特化していたり、名医がいるわけでもありません。

 

 

そして小児科や産科は別とした、患者の平均年齢が低いのも精神科です。

 

 

大阪の診療所も通っている患者さんが600人ほどいらっしゃったというのもなかなか驚きではあるのですが、世の中は想像以上にメンタルを病んでいる方がいらっしゃいます。そして実際に通院されている方だけでなく、病んでいるけど病院には行っていないという潜在的な患者もいると思われます。

 

以前、複雑性PTSDの患者さんの対応の記事を書きましたが、精神科の患者さんというのはその他の診療科の患者さんよりも対応するのが難しいというか、正直に言うと細心の注意を払います。また、精神科病棟は拘束できる病棟や閉鎖病棟があり、何度か入ったことがありますが物々しい雰囲気です。

 

kusuriya-mameta.hatenablog.com

 

精神科はひと昔まえは特に田舎では単独の精神科病院などは「キ●ガイ病院」などと言われ、窓は鉄格子がされ、人里離れた場所にあって、恐ろしいイメージがありました。最近はかなりイメージが良くなり「メンタルクリニック」や「心療内科」などと名称を変え、都会の雑居ビルに入っていて、フラっと立ち寄れる…そんな立地も増えています。ちなみに心療内科と精神科は別です。もーのすごく簡単に言うと、「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」というのは心療内科です。また、精神科と名称をつけると敬遠して行きにくいというので心療内科としていることもあります。また、心療内科はある日突然「心療内科医デス」と名乗ればおKですが、精神科はある程度研鑽を積んだ精神科医なら国家資格の精神保健指定医(本人の許可なしに強制入院させることができる)を持っています。

 

精神疾患は本人だけでなく、周囲の家族もや大変なハードルがあると思います。大阪の放火では身元判明につれ実名で被害者を報道されています。しかし、「精神科にかかっていた」ことを知られたくない残された家族もいるでしょう。というかそもそも亡くなった本人が知られたくないかもしれない。ちょっと報道のありかたはどうなんだと思わざるを得ないです。

 

 

―昔よりも精神科にかかる人は増えたのか

 

 

正直、計算をしていないのでわかりません。しかし、これもいつか書こうとは思っていたのですがコンサータを処方される子ども、つまりADHDの子どもはここ最近かなり増えています。また、別の薬を服用する子や薬は出ていないけど精神科に来ている子も多いです。これは「ADHD発達障害に関する認知度が上がった」という見方が大きいです。一方、いわゆる「騒がしい子、落ち着きのない子はおかしい。精神科に行け!」という世の中なのかもしれません(学校から受診を勧められた人が多い)。

 

 

―病気に関する認知度が上がって”そういう人”も生きやすくなったのか、それとも”少しでも他人とちがうことを許せない”世の中になったのか

 

―生きづらい世の中であることは間違いない。

 

 

 

 

ちなみに、日本の周産期における死亡原因の1位は自殺です。

 

 

 

 

 

今日も読んでいただきありがとうございます。またのご訪問お待ちしています!