アンサングシンデレラ【第2話】続き

さて、アンサングシンデレラ【第2話】で取り上げられた「クラリスロマイシン×オレンジジュースで激まず」についてレポしていこうと思います。

この話、薬剤師業界では有名な話です。散薬のコーティングが酸性で溶けて…の説明は番組ホームページで解説が載っているので読んでください（ポンコツなので割愛します）。

まず、薬は水で飲むのが原則です、というのも水で飲むことを想定してあらゆる薬は開発されており、また臨床試験等も行われています。ということは、水なら確実に相互作用がどうのなどの不具合がおこらないんですよね。だから水で飲むよう言われます。ただ、個別で見ていくと理論上お茶で飲もうが問題ないものが正直多いです。けどいちいちこれはどうとか言ってられませんので一律に水を推奨しますが。

ただし子どもの場合、苦いと飲まない→飲まないと治療にならないのでうまく味付けして飲ませるほうがよい→相互作用など影響がないものを考えようというわけです。ドラマではチョコレートアイスが登場していましたね。

 

実は以前に「なんでもいいからおもしろい内容を薬剤部内で発表しろ！」と言われ、何と混ぜたら飲みやすいかを同期と後輩を使って人体実験してプレゼンしたことがあります（そんな本格的なもんじゃないです）。詳しく書くと長くなるのですが、先行論文http://id.nii.ac.jp/1154/00000020/

を基に方法を少しアレンジして単発的に小児科でよく出るドライシロップ（慢性疾患ではない）を使ってどれがいちばん飲みやすいかを同期と後輩を使って人体実験してみました。その結果、

森●ダ●スチョコレートを500Ｗで1分レンジでチンして混ぜたら明●のアポロチョコレートの味みたいになってイケるぞ！（※ただし20代後半の成人男女の味覚）

という結論に至りました。

薬の量に応じてチンする個数を変えてみたらいかがですかね？ドラマのようにチョコレートアイスだとまめ太のように食い意地の張っている子だと、薬を飲むたびにスーパーカップを平らげることになってしまうかもしれませんが、チョコレートだと調節がきくのでは？（そんな子どもいないって？）ちなみに単発的に飲むような薬でチョコレートと相互作用を起こしそうなものは調べた限りなかったです（あれば教えて下さい）

余談ですが、クラリスロマイシン×オレンジジュースも実際にやってみたのですが、混ぜてすぐはそこまで苦くなく、5分ほどたつとめちゃくちゃ苦くなりました（おそらくコーティングが剥がれるための時間？）。あ、これは先輩に飲ませて人体実験しました。

さて、この方法に限らず何かと混ぜて飲ませる方法、とりあえず家でなら可能ですが、出先ではちょっと難しいですし、また大きくなっても子どもの頃の習慣が抜けなくてそのまま飲めない…ということはあるんですかね？

ちなみにまめ太は人に薬を売りつける生業ですが、実は薬を飲むのが苦手です（錠剤は飲めるので不自由はしませんが）。子どもの頃は水薬や散薬が処方されると、あの変な甘さがどうも苦手だったのですが、まめ太母が「は？気合で飲め！気合ぢゃ～！」と圧をかけられ有無を言わさず飲んでおりました…また、5歳の頃入院し、同室の子が薬を(飲みやすいよう）凍らせてもらっており、「いいな～」と言うと、「は？気合で飲め！気合ぢゃ～！」と圧をかけられ有無を言わさず飲んでおりました…さらに、小1のとき中耳炎になり耳鼻科で錠剤を出されたのですが、当時のまめ太（初めての）錠剤の飲み方がわからず飲み込めず吐き出してしまうと、まめ太母が「は？気合で飲め！気合ぢゃ～！」と圧をかけられ、仕方なく鰹節丸飲みの練習を自分でして飲んだ記憶があります…（なぜ鰹節をチョイスしたんだろう…）

ということであまり子どもの頃、薬にあまりいい思い出がありません…ちなみに今は、散薬を飲むときは氷を事前になめておき、なんとなく舌を麻痺させてから飲んでみたりしています（そんなに効果はないですが…）

ちなみに小児科領域の指導はあまり得意ではありません…ときどき乳児（1歳未満）のお母さんが「どうやって飲ませてらいいですか？」と質問を受け、基本的なことは説明するのですが、やはり子育ての経験がないのでいくら教科書どおりの知識があっても現実がわからないから踏み込みにくいんですよね…そして「スポイト1本お渡ししましょうか？」とモノを渡して無難に締めくくってしまう…モテない女日本代表選手、母になるどころか嫁になるメドもたたず、自信をもって説明できる日がいつかくるのだろうかと説明を終えるたびにどこか虚しさがやってくるのでした…(´・ω・｀)

今日も読んでいただきありがとうございます。またのご訪問お待ちしています！