今回は時事ネタです。
今、世の中をざわつかせている「ALS患者安楽死(嘱託殺人)事件」。安楽死の是非を問うと、果てしなく壮大な議論になってしまうのここではやめときます。事件の詳細はググっていただければと思いますが、簡単にまとめると「ヘルパーがいるときに来訪した2人組がバルビツール酸系薬物を胃ろうから注入し、立ち去ったあと急変し搬送先の病院で死亡。司法解剖された」といういきさつです(報道では)。薬剤師としてのポイントは「(たぶん)処方薬を悪用して殺害」です。バルビツール酸系はてんかん患者や精神科ではよく出る処方です(事件で使用された具体的な薬品名が報道されていないのであくまで系統としてよく出るとしか言えませんが。もし、医薬用外だったらすみません、、)。
以前の記事で日本の死因究明制度の問題点を書かせていただきました(貼っときます)
kusuriya-mameta.hatenablog.com
(関係者ではないので詳細は勿論わかりませんが)今回は亡くなった状況や京都府という大都市という土地柄なのか司法解剖することになったのかもしれません。担当した法医学教室が高度な分析機器を持っていたのか、怪しいと思って薬毒物スクリーニングを外注したのかもしれません。色々なことが重なって今回のことが明るみになったのではないでしょうか。もし、この一連の流れがどこか途切れていたら、今回の事件は明るみにならなかったかもしれない。そしてもしかしたら闇に葬り去られている薬絡みの事件は他にもあるかもしれませんね‥
今回は開業医が当事者なので薬剤師としてできることはないかもしれません。しかし、少なくとも薬に関することに関して、薬を扱う者として今後何らかの形で社会のセーフティーネットになることができればいいなと思います。まぁ、現時点ではどうすればいいのか目途すらわかりませんが…
「ボウガン事件のように模倣犯が出てこないかしら‥」
そんな危惧をしながらも、フェノバルビタール散を分包し、フェノバールエリキシルを水薬瓶に入れ、ラボナール注を通常運転で払いだすまめ太なのでした。
↑↑全てバルビツール酸系!
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