"くすりや"まめ太の処方箋

地方の病院で"くすりや"やってます

アンサングシンデレラ【最終回】

暑さ寒さも彼岸まで‥特に朝がめっきり冷えましたね。まめ太は朝の出勤時はトレーナーのパーカーにくるまって、夕方の退勤時は半袖Tシャツでクーラーかけるという意味不明な1日を過ごしております( ^ω^ )そういえばアンサングシンデレラが始まった頃は暑かったですね‥


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さて、たーーいへん遅くなってしまいましたが(すみません、色々立て込んでました‥)、アンサングシンデレララストレポ、お付き合い下さい!

 

今回は、

・産科分院に左遷

バルプロ酸ナトリウムと妊婦

・リトドリンがない!

・い‥生きてたんですか!?

 

◆治験の責任云々で飛ばされたようですね‥出向の半沢直樹でしょうか‥?なんか萬津総合よりこっちの田舎の産科のほうがこじんまりしていて葵に向いてそうな気がするのは私だけかしら‥


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ちなみに産科病棟の病棟業務は初心者向け、たぶん一番カンタンな病棟です(炎上発言ならすみません)。というのも産科は基本的に若くてものわかりがよく、単発的に出産に伴って入院しているだけでずっと患う病気ではなく、使用する薬も限られていて、何よりケモがない!からです。


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さて、このいわゆるグループ病院。今回は民間病院の分院でしたが、他にも国立病院機構都道府県立病院機構、大学病院の分院‥など意外と異動がある(可能な)病院薬剤師もいます。もちろん、否応なく定期的に異動させられるところもあれば、希望がなければ基本的に異動しないところなど病院によりけりですね。異動がある病院のメリットといえばやはり人間関係が詰んだときに辞めなくともやり過ごせる可能性が残されている、別の特色を持つ病院にも行くことができるですかね。あと、定期的に異動があるほうが風通しがいいという説もあります。デメリットといえば左遷?があるかもしれない、転勤したくない人には向いていないですね。

ちなみに、日赤、済生会徳洲会‥は各地にありますが、病院ごとの独立採用で異動とかはないので就職希望者は注意して下さい(徳洲会は僻地の病院に応援とかあるそうですが)。

 

バルプロ酸ナトリウムを飲まずに捨てていた妊婦ですが、血中濃度を調べりゃお見通しでっせ‥まぁ、いいや。


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てんかんは意外と患者さんが多く、子どもの頃から薬を飲み続けておられます。そのためてんかんを専門にされている先生はかなり抗てんかん薬の妊婦への使い方を熟知しておられることが多く、女の子の患者さんの場合「将来妊娠したときは~」と話をされていることもあるそうです。この妊婦に対する薬剤の投与ですが、大抵の場合添付文書ではNGや不明になっていることが多いです。それはデータの出しようがなかったり云々‥です。そのため個別のケースについてメーカーへの問い合わせをはじめとして、製剤データからの考察、使用経験、文献調査などを行って使用していきます。基本的にはベネフィットがリスクを上回ると判断すれば使用という感じですね。例えば知り合いは(10年以上昔の話ですが)妊娠中にACE阻害薬を飲んでいたそうです。教科書ではありえませんが、ベネフィットがリスクを上回ったと判断してとのことてす。そういう世界です。

 

また「妊娠と薬外来」という相談も各地で行われています。費用は自費扱いになるので少々かかるそうですが(でも5000円くらいらしい?)ちなみに、この外来を担当していて「妊婦授乳婦専門薬剤師」を持っている知人薬剤師に以前聞いたところ、てんかんに関しては前述のとおり近年はかなり認知されているそうで相談されることはないそうです。今一番多い相談は精神科系の薬だそうです。これは精神科の医師もあまりデータを知らないので相談を勧められたり、相談に関しても本人以上に家族(親など)が必死に聞いてくるそうです笑w

 

話は逸れますが、このてんかんの患者さんはパートナーのいないシングルマザーなんですね。途中で葵がサラッと言ってましたが、一度も父親らしき人物が登場せず実母がベッタリ、このまま認知もしてくれないのだろうか‥と途中からそればかりが気になりました‥いや、薬とは関係ないかもですが結構深刻な話だと思います‥

 

◆リトドリンがない!ので代替薬を思いついたのはナイスですが、産科で使ってナンボのリトドリンを切らすとかリアルだとゴルァァァとどつかれるレベルですw在庫管理をもっとしっかりしましょう。つかこの病院は病棟にしかリトドリンを持ってないんかいw

 

リトドリンは切迫流・早産に使用されるβ2刺激薬のため副作用として動悸や手の震えがあります。また肺水腫予防のため5%ブドウ糖or10%マルトース500mlで希釈し、1日5、6本くらいまで使用できます。他にも硫酸マグネシウム注やウリナスタチン膣坐薬も使われます。この坐薬ですが、一般に市販されておりません。そのため院内製剤として作られており、投与も同意書とって、保険適用外だった気がします(経験的にはよく使われていますが)

ちなみにテルブタリン注はほぼ使用されないようなマイナー薬です(とりあえずうちの病院では採用はあるけど私は処方を見たことがない)。いろんな意味で近所の内科、すごくね??

あと、まめ太はモテない女日本代表選手独身孤独死まっしぐら輩なのでよくわからんのですが、非常勤の麻酔科医が来るまでもたすためにリトドリン‥ってどうなんですかね?第1話で登場したボンクラ研修医くんがえらい成長してましたが、小規模産科医院なら産科医が麻酔もかけるんじゃないですかね?だって個人経営の産科医院って麻酔科医いなくないですか?あっ、お世話になったことがないので詳細はわかりませんがwまぁ、いいや。ちなみに麻酔かけて寝てた感が醸し出されていましたが、基本的に帝王切開は腰椎麻酔なので下半身のみの局所麻酔的なものなので意識はあります。

 

◆瀬野さんすみません、てっきりあの世に行かれたと思ってました。幽霊でてきたんかと思いました。ドラマなのでキセキは起こります。


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↑昔、めっちゃ流行ったよね。

 

最後にどうでもいいですが、葵が萬津総合に戻ったみたいですが、産科医院の欠員はどうしたんでしょうね。おそらく元々薬剤師の人数も少ないでしょうし、田舎なので求人かけても来なさそうですが‥

 

ざっとですが最終レポを書かせていただきました。毎回、自己満足で自分の経験談を中心に書きました。薬学的なことはもっと優秀な解説をお読み下さい。今回で各話レポはおしまいですが、せっかくなので補足と総括をそのうち書いて締めくくりとしようかなと思います。

 

お読みいただいた方、本当にありがとうございました。ドラマは最終回を迎えてもまめ太は特にめでたい退職の予定も育休のように長いおやすみに入る予定もございませんのでw、これからも薬剤師ネタ、関係ないネタなど自由に書きなぐりますので暇つぶしに遊びにお越しいただけると大変嬉しいです。ではまたお会いしましょう!


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今日も読んでいただきありがとうございます。またのご訪問お待ちしています!