またもや更新が空いてしまいました…(´・ω・`)
「サボってんだろ!もう見に来てやんネーよ!」
……(´・ω・`)ゴメンネ
実は、手術室当番をクビになった理由の1つに新人に今後は担当させるからというのを以前書きましたが、実はそれ以外にも理由があって、まめ太にも担当の(入院)病棟を持たせることになりました。(もちろん調剤の中央業務もシフトで入ってますが、あくまでサブ扱いになりました。クレーム電話を受けることもかなり減るでしょう)というわけで、調剤室のパシリは次期パシリにバトンタッチしましたwww(後輩クンですw)まぁ、雑用専門薬剤師はまだ更新してますよwww
というわけで、病棟業務を覚えるのに手間取ってるなうです。(不)愉快な患者や珍ドクター&ナースがたくさんいますのでモザイクかけながらまたブログのネタにしますので楽しみにしておいてくださいw
また、それに加えてLaboで論文作成なうなのですが、これがまたとりあえず日本語で下書きしようにも捻っても捻りだしてもなかなか進まなくてPCの前でフリーズしてるんですよね…まぁ、明らかに論文を読んでる量が不足しているのでしょう……
さて、言い訳はこれくらいにして本題へ。
手術室オンラインツアーですが、このブログの読者は一般peopleが多いようなのであまり前回はおもしろくなかったかもしれません(わかってたんかいw)ということで一般peopleでもピンとくる話を1つ。
全身麻酔の手術についてです。
全身麻酔は吸入麻酔薬(セボフルランやデスフルラン。動物実験だとイソフルランが多いですが同じようなものだと思ってください)で意識を失わせます。もちろん前回のプロポフォールも意識を失うんじゃね?と思われますが、こちらはどちらかというと「鎮静」といった感じです(別に手術だけじゃなく集中治療でも使います)
そして鎮痛に麻薬を使います。沼の底病院はフェンタニルとレミフェンタニルを使ってます。通常の手術だとせいぜいフェンタニルは10本、レミフェンタニルは5本もあれば十分足ります。ただ、心臓外科やめ~っちゃ手術が長引くときは麻薬の「おかわり」
が来ますw
さて、ここで問題。開腹手術である帝王切開は全身麻酔でしょうか?
正解は局所麻酔です。が、やや特殊な使い方をします。
まず通常の手術は麻薬を静脈から入れます(いわゆる普通の腕からの点滴です)しかし、帝王切開は硬膜外麻酔です。ググってもらえばよりわかるのですが、つまり背中の背骨と背骨の間に針を刺します。ここで投与するのはマーカイン高比重(ブピバカイン)です。薬理の教科書の冒頭に登場するアミド型局所麻酔薬ってやつです。これは短時間で効き目が表れ、さらに効き目の消失も早い、すなわち緊急性を要し、下半身の麻酔が必要の帝王切開向けってワケです。ちなみに整形外科の一部の手術(骨折のプレート抜くだけ)とかはマーカイン等比重を使う局所麻酔のことが多いです。等比重なので若干帝王切開とは違いますが。
「なんで帝王切開は全身麻酔じゃないの?全身麻酔のほうが痛くなさそうじゃん!」と思われるかもしれません。これは全身麻酔下だとsleeping babyといって赤ちゃんが寝たまま生まれてしまうことがあるからです。ただ、ハイパー緊急を要するときは全身麻酔下で行うこともあります(グレードAカイザー)まめ太の最後の当番はグレードAカイザーが来そうだったんですが、病棟で生まれてしまったそうですW
kusuriya-mameta.hatenablog.com
さて、ここまでの手術中の麻薬、麻酔薬の扱いはあくまでこれは沼の底病院の場合です。というのも手術中の薬品というのは麻酔科医の匙加減というのが正直多いのと、病院によってかなり違います。
じつは沼の底病院は帝王切開はマーカイン高比重だけではなく麻薬もほんの少しまぜて入れてます。フェンタニル0.2mLとモルヒネ10倍希釈の0.1mLというもはや入ってねンだろ!と突っ込みたくなる量ですがwけれど、これが結構大事で、
フェンタニル→ガツンと鎮痛
モルヒネ→じんわり鎮痛1日くらいもつ
という役割があります。
これは、沼の底病院の麻酔科の女医さんから聞いた話ですが、
女医さん;まめ太さん~、ワタシ上の子は近所の豪華絢爛な(開業医)キラキラクリニックで産んだのよ。でも、緊急カイザーになったの。そしたら、
死ぬほど痛い
なんか見てたらさ、おそらくマーカインだけで麻薬使ってなかったんじゃないのかなぁ…?個人の開業医で麻薬扱うの面倒そうだし…だから下の子のときは予定カイザーだしさ、勤務先の沼の底病院で産んだんだ!なんなら自費扱いで術後のPCA(術後、持続で麻薬やらを注入し、痛ければ自分で多めに入れるボタンもついてる)も入れたよ笑w勝手がわかってるからよかったワ~(自由自在に鎮痛を操れるw)まぁ、メシは普通の病人食だったけどねw
沼の底病院の近隣はクソ田舎ということもあり、出産を扱っているクリニックがかぎられています。そのため、近隣のキラキラクリニックにみんな行きます。くすりやの仲のいいセンパイもそこで出産し、緊急帝王切開になったのですが、
仲のいいセンパイ;もう(1人目のとき)クソ痛かったのなんのって!しかも鎮痛剤カロナールしかくれないのよ!?2人めは「ボルサポ(座薬)ください、ロキソニンください」って色々要求してやったわwww麻酔?うーん…たぶん院長1人でやってたわねぇ…麻薬いれてたのかしら…?
麻薬は扱いがガチでめんどくさいです。まず医者は麻薬施用者免許を申請しないといけないし、なんなら購入するにも麻薬管理者の届け出、譲受書のやり取り、金庫の設置、帳簿の在庫管理、薬務課の立ち入り調査、破損したときや結局つかわなかったりしたら事故届や廃棄理由届がいるし、廃棄するにも状況によっては薬務課まで行って廃棄しないといけない、行方不明になると警察に届出やお茶の間のニュースになってしまう…1人院長の開業医レベルで扱うにはめんどくさすぎますね…
↓↓超初期の記事ですね(笑)
kusuriya-mameta.hatenablog.com
また、「院長1人で麻酔かけてた」ですが、これは自家麻酔(1人の外科医が手術しながら自分で麻酔管理する)ってやつです。沼の底病院は常に麻酔科医が当直してるので夜中でも必ず麻酔科医が麻酔をかけますが、地方で人手のない病院や個人病院だと外科医が手術しながらかけてます。まぁ、帝王切開は全身麻酔じゃないんで事足りるんでしょうが、やっぱり麻酔もして手術もしてって大変ですね……
ちなみに術後の疼痛管理ですが、普通の開腹手術(消化器外科、婦人科…)や腹腔鏡でも結構沼の底病院はPCAといって静脈なり硬膜外からなりで持続で麻薬やらを注入し、痛ければ自分で多めに入れるボタンもついてる仕組みを使用しています。
PCAポンプを用いたほうが痛みの緩和に有効って本当? | 看護roo![カンゴルー] (kango-roo.com)
腹腔鏡の婦人科手術でもPCA使ってるんで、開腹の帝王切開とかエゲツナイですよ…!!
というわけで、産院を選ぶときに食事や部屋の豪華さを気にするのもいいですが、「帝王切開の麻酔はどの薬を使ってるか、また術後の疼痛管理はどうしてるか」で選ぶのも1つかもしれませんね。
……って、モテない女日本代表選手のまめ太に言われたところで、
説得力ゼロだっつーの!!www/(^o^)\
そんなことを気にする日はいつかやってくるのだろうか、ただただ涙で枕を濡らすまめ太なのでした。
今日も読んでいただきありがとうございます。またのご訪問お待ちしています!
※これからはもうちょっと更新頻度あげますね。